チームはなぜ変化したのか(後編)

こんにちは。
とても温かい日が続いて春を感じますね。

4月5日に経営者、管理者に方向けのチームビルディング講座を開催しました。前回の
コラムでは経営者のインタビューを通じて、企業組織にとってのチームビルディングの
有用性について言及しました。

経営者の皆さんにとっては、事業継承やサクセッションプラン、ビジョン実現のための
組織創りが大変重要です。短期的な売上を達成できても社員は不幸で、10年と続かない
企業では意味がありません。
経営者だけが企業の行く末を考えるのではなく、企業で働く皆が自分の事として企業の
未来を思考し創造する組織を創っていきましょう。

1)トピック
今回は「部下の叱り方 や育成、指導」を解説したコラムの紹介です。
下記に一部を掲載します。

■成長しない人間はいない
そもそも人間には強烈な成長欲求があります。それは、変化する自然環境や社会環境
の中で淘汰されないためです。ですから、成長することは本能的で生存に直結した活
動だと言えるのです。

しかし、部下を持つリーダーの皆さんは、成長欲求をむき出しにした部下を持ったこ
とがあるでしょうか?

部下を見ていると自主性が乏しく、言われないと動かない。言われたことも満足に出
来ていないと感じる。・・・ため息が出る。(続きはこちらをご参照ください)
http://jtba.org/部下-叱り方-育成-指導

2)セミナー/書籍のご案内など
■2014年5月31日(土) 10時~18時
「チームビルディング初級講座」を開催いたします。組織創りの原理原則と現実課題
の解決方法についての学びを深めていきたいと思います。
http://jtba.org/kouza

■「斉藤秀樹の最強組織を創るチームビルディング術」発売中です。
Amazonランキング「マネジメント・人材管理のベストセラー」4位になりました。
とても多くの皆さんにお読みいただいています。ありがとうございます。

ビジネスチームの再構築方法を手順化しました。これまでのマネジメントやリーダー
シップの考え方に一石を投じる内容です。組織創りや組織強化に悩む皆さんにご一読
をオススメします。
日経BP書店:http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/223440.html
アマゾン:http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4822274330/chintara-22

3)チームビルディングコラム
前々回の続きです。
少し日が経ちましたが、感動を与えてくれたソチオリンピックが閉幕しました。今回は
スポーツ繋がりで以前にも取り上げたワールドカップ日本代表チームを例にチームビル
ディングについてお話したいと思います。

【日本代表チームは何故蘇り、大きな成長を遂げたのか -後編-】

組織リーダーは「チームビルディング」の要である

◆日本チームの変化と成長プロセス3:ノーミング
ノーミングとはチーム成長プロセスの第3段階を指します(全4段階)。3段階にチーム
が成長する。ことでチームはシナジーを生み出せる状態になります。日本チームも同様
に3段階へと成長していきます。
それを象徴するのは開幕戦の国歌斉唱の光景です。先発選手、控え選手全員が肩を組み
一体となった光景です。
チーム全員のベクトルが「どんなことをしてもチーム一丸となって勝つ」という目標に
向って一体化された象徴的な光景でした。
選手たちは、がむしゃらに無我夢中に個人ではなくチームのために死力を尽くします。
このことは長友選手の「自分は他のどのチームの誰よりも走る」大久保選手の「全員が
役割以上の働きをやり続けた」という言葉からも強烈に伝わってきます。

そしてチームが更に大きな成長を遂げるためには重要なターニングポイントがあるので
す。それは、ノーミングで最も重要な成功体験の共有です。
ノーミング状態のチームは皆「本気」で勝ちに拘ります。しかし、ノーミング初期のチ
ームには「勝ったという実績」がありません。ですから、その「本気」は小さな失敗や
ちょっとした逆境でも簡単にしぼんでしまいます。だからこそ、成果の大小に関わらず
必ず「勝つ」という成功体験が必須なのです。
そのことが個人、チームの自信を生み出し「俺たちは出来る」という大きな確信と結束
性、そして、前進へのエネルギーを生み出すのです。

カメルーン戦の勝利の意味とは1勝すること以上に、チームが成長し続けるための必須
条件だったのです。そしてこの勝利が「このチームなら出来る」という確信と逆境に負
けない強いチームへの変貌を促したのです。
それはその後のオランダ戦の敗退を経てもゆるがない日本チームの強さが物語っていま
す。

◆日本チームの変化と成長プロセス4:トランスフォーミング
爆発的なチーム力を生み出す段階、日本チームはデンマーク戦でその時(第4段階)を
迎えます。その時を迎える準備は、試合以外のオフの過ごし方の変化にも表れています。
これまでのワールドカップでの選手のオフの過ごし方は、自室に閉じこもる傾向が強く、
プライベートな交流は希薄だったようです。ところが今回は、皆で卓球をしたりテレビ
ゲームをしたり、とても密なつながりが持たれました。選手たちの言葉を借りれば「ま
るで家族」のような雰囲気が出来上がっていたのです。
それは単に同じチームのメンバーという枠を超え、人としてお互いを大切に想う一体感
が生まれていたことを意味します。お互いが掛け替えのない存在になっていったのです。
その繋がりが私欲を越えて、チーム(全員)の勝利へと心を一つにするための前提と言
えます。

デンマーク戦、3対1。チームが一つになることで生まれたエネルギーが作り出した飛躍
的な成果です。

全員がチームのために実力以上の力を出す。そのことは本多選手の印象的な行動が物語
っています。2度目のフリーキック、今までなら自分自身の力で勝ちを取りに行く彼が、
遠藤選手にキックを譲ります。何気ない行為ですが、この行為こそが協働意志の表れな
のです。チームのためにチームメンバーの力を尊重し、最良の成果を生み出す行為。

このような互いを信じ、強みを引き出す関わりが組織シナジーを生み出し、高め、チー
ムに爆発的なパフォーマンスをもたらします。

◆もう一つの重要な視点、DoとBe
これまではチームの成長プロセスを中心に日本チームが何故蘇り、そして素晴らしいチ
ームに成長して行ったのかについてお話ししてきました。ここで、もうひとつ大変重要
な視点についてお話します。
それは、戦略戦術といった方法論ややり方(Do)がどんな秀逸でも、戦う気持ちや信頼
関係、一体感といったマインドやあり方(Be)が充実していなければ成果は出ない、勝
てないと言うことです。
そしてチーム力はこのDoとBeの両輪がしっかり機能することで生まれると言うことな
のです。

チームが何故、目標達成に向けて進まないのか。その一つ目の重大な要因は、リーダー
のマネジメントがDoに偏っている、リーダー自身のリーダーシップにBeが欠落してい
るからなのです。

メンバーが心からリーダーに貢献しようと考える時、そこにはリーダーに対する尊敬や
尊重といった想いがあります。若手社員の皆さんと話しをしていてモチベーションが上
がらない理由の多くは「上司に人間味が欠けている」「メンバー(自分)を信頼してい
るように感じられない」「言っていることとやっていることが違う」など実務の能力以
前に人としての「あり方(Be)」に問題があるのです。
そんなリーダーをメンバーは信頼できず、モチベーションを無くし、名ばかりのチーム
になってしまいます。

そして、二つ目の要因はチームメンバー間のBeの欠如によるチーム力の低下です。チー
ムシナジーの源泉の一つは外界の情報(顧客のニーズや最新の情報など)がチームに取
り込まれ円滑に伝搬、共有され活用されることで生まれます。そしてもう一つは、個々
が生み出す多様な発想やアイデアが、互いの課題や悩みに適用されることで一人の力で
は解決でいない壁を超えるブレークスルーを生み出すことにあります。これが個人では
創りだせない本来のチームが持っている力であり、チームの存在意義なのです。

しかし、メンバー間の信頼が低いチームでは、相互のコミュニケーションが希薄で、支
援的な関わりが皆無となり(寧ろ面倒な事に関わりたくない)上述のチームとしての多
様性や力が発揮されません。
このことが本来のチームとしての最大の強みを消してしまっているのです。
以上のことを日本チームの例で振り返ると、開幕戦前の連敗し続けていた日本チームと
同じ状態なのです。
私には、あの連敗し続けていた日本チームの状況と現在日本の多くのビジネスチームの
現状がかさなって映っています。

だからこそ、このビジネスチームの現状を打破し、実働部隊としてのチームを再生する
のはリーダーである組織リーダーの最大の責務になるのです。

組織リーダーがチームビルディングの本質を学び実践することで、企業活力を「組織と
いう人材成長の器」の再生から高めることができるのです。もう、やり方のみのマネジ
メントや方法論から脱却し、真のチーム創り、真の組織リーダーへの自己成長に向かう
時が来ています。

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