ビジネスチームビルディング

受講者の目を輝かせるチームビルディング

体感型プログラムを導入

東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)は、世界トップクラスの保険グループを目指すミレアグループの中核企業で、自動車保険「トータルアシスト」をはじめ、生損保一体型保険「超保険」、確定拠出年金(401k)などの最高品質の商品・サービスの提供を通じて「保険のステージ拡大」を実現し、より大きな「安心と安全」の提供を目指している。
人材育成の基本コンセプトは「お客様から信頼され、持続的に成果をあげられるプロフェッショナル人材の育成」。そのコンセプトのもと「自らを磨き、人を育てる社風」を徹底的に高めることを目指している。

同社は、毎年4月から約2カ月間にわたって新人研修を実施している。その研修プログラムの内容を刷新することが今回のプロジェクトのテーマだった。
まず、知識付与を目的とした座学中心の研修から、組織目標の達成に向かって協働する姿勢を身に付けるためより実践的な体感型プログラムへとシフトして行くこと。次に、採用数の増加に伴い事務局の負担が増大したので、新人社員の自主自律的な参加を促す研修にすることだった。

人事企画部企画組織・能力開発グループ村上要一氏は次のように語る。
「新人社員は、入社前にeラーニングで基礎的な知識についてある程度理論を学習しています。そのため、集合研修ではより実践的な体感型のプログラムを中心とした研修を検討していました。社員一人ひとりが持ち場持ち場で全力を尽くしつつ、チームとして最高のパフォーマンスが出るように協働する中で自己実現し、その結果、組織目標が達成されるという、会社と社員のWIN-WINの関係を学ぶチームビルディングを研修にうまく取り入れることが課題でした」

柔軟なプログラム設計で効果を確信

これらの課題を解決するため、同社は、プログラムの本格調査・評価を開始した。研修における課題を十分に吟味し、約4カ月の選定プロセスを経て、Action Learning Solutions(以下、AL-S)の新人チームビルディングプログラム導入を決めた。選定の経緯について、村上氏は次のように当時を振り返る。

「AL-Sの最大の強みは、プログラム設計の柔軟性にあります。比較検討した複数のプログラム提供企業が、単に楽しいことだけを強調したり、既存のプログラム提供のみに固執する中、AL-Sは、われわれとの課題認識を共有し、描くゴールを実現すべくプログラムをカスタマイズしてくれた。われわれとAL-Sがまさに1つのチームとなってプログラムを作りこんだのです。
また、インプットとアウトプットのバランス、右脳と左脳のバランスが素晴らしい理論に裏打ちされたプログラムであり、ただ楽しいだけではないことも、社内稟議で承認を得て実施することができた大きな要因といえます。導入前に人事企画部で事前にAL-Sのプログラムを体験し、効果を実感できたことも採用を決めた大きな理由でしたね」

事務局の負荷が激減―体系的なプログラム提供が組織全体に大きなシナジー効果を生む

AL-Sは、2007年4月、チームビルディングを取り入れた新人研修を実施した。新人社員は研修の目的を明確化し、チームにおける成長段階などをインプットした。理論に対して、内省とチームごとの熟考を繰り返すことで気づきと理解を促進。その上で、アクティビティを体験した。体系的なプログラムを経験し、チームビルディングによる成功体験を得た受講生に芽生えた自信は、組織全体に大きなシナジー効果を生んでいるという。

村上氏は、「研修時、約200名の受講者は13のチームに分かれて活動していました。情報はチーム内で迅速に共有されるので、事務局は13名のリーダーに情報を伝達するだけでよく、これまでの情報伝達作業の膨大な負荷が激減したことは大きな喜びです。
また、各チームで課題・目標を設定し、フォローし合って達成するためのサイクルを回したり、チーム内外を問わず頻繁にコミュニケーションをとるようになりました。学習・地域貢献活動・レクリエーションなども積極的に行っているようです。
各社員がチームにおける『あり方』を学び、そのうえで具体的な『やり方』を習得することで、各チームは自律して継続的に成果をあげるチームに変貌しました。チームビルディングを通じて、チームが変わる瞬間を体感したときの受講者の目の輝きが忘れられません」と語ってくれた。

チームビルディングで理想的な社員のあり方を浸透させる「伝説の研修プログラム」

ミレアグループでは、さまざまな業種から構成されるグループ企業間での人材交流を目指している。その中で、東京海上日動は、自分の所属する企業にとどまらない役割を見つけ、グループ全体に貢献する理想的な社員の「あり方」を社内に浸透させていく方針だ。

今後の展望について村上氏は次のように語ってくれた。
「AL-Sの新人チームビルディングプログラムを実施したのは、2006年の4月に引き続き今回で2回目です。先輩社員からAL-Sのプログラムの噂を聞いた新人からは“今年もあるのですか?”という要望が出るなど、既に伝説の研修プログラムとなっています。その例が示すとおり、研修後に行うアンケートの満足度が高いことと持続的な効果の大きさを評価して、2年連続の実施を決めたのです。
今後は、新人社員のみならず、組織環境や職種が大きく変わる社員・より大きな成果を挙げたいと望む組織も対象にチームビルディングを取り入れていきたいと考えています」

GoTo TOP