次世代リーダー育成

リーダー変革が、企業文化を変えるインパクトをもたらす

組織改善の鍵を握るリーダー変革とチームパフォーマンスの向上

旭化成株式会社(以下、旭化成)は、分社持株会社制のもと、石油化学製品、電子部品・材料、医薬・医療、住宅・建材など6つの事業会社が活動を展開する企業だ。
グループとして、社員が共有すべき価値観や行動の指針を制定し、持株会社と6つの事業会社ごとに人材戦略を展開することで全社的な発展を目指している。

その中に、環境調査・分析を行う関連会社、株式会社東洋検査センター(以下、東洋検査センター)がある。
そこでは、個人で行う定型的な業務が多く、売上も過去順調に伸びてきたため、新しい挑戦をするという風土が強くなかった。
また、上司・部下に対する組織の中での信頼感や仲間意識が弱まりつつあるという問題があることがわかった。

人財・労務部 人事グループ 東京人事担当 高比良 和俊氏は次のように語る。
「東洋検査センターでは、団塊の世代が引退すると中堅層の責任が急激に大きくなります。世代交代はもちろん、永続的な事業の発展に向けて、リーダーを変革することが急務でした」

課題を深堀したコンサルティングにより最適なプログラムを提供

これらの課題を解決するために、同社は優れた組織変革手法を導入することが必要と判断。社内で課題分析を行い、解決に向けた研修プログラムを検討した結果、以前から新人フォロー研修を任せていたAction Learning Solutions(以下、AL-S)の次世代アクションラーニング手法を採用することを決めた。高比良氏は次のように当時を振り返る。

「東洋検査センターは、企業の変革期に直面していましたので、AL-Sの提案に興味がありました。AL-Sは、期待どおり丁寧なヒアリングとノウハウに裏打ちされたプログラム提案を常に準備してくれた。課題を深堀し、議論を引き出すファシリテーションは、単なる研修にとどまらず、コンサルティングのようでした。ここまでやっていただけるのかと非常に心強く感じたことが印象に残っています」

リーダー変革で挑戦する風土を醸成、ROIを実現

AL-Sは、2006年10月から約4カ月にわたって、アクションラーニングを取り入れた次世代リーダー養成による組織変革をプロジェクト化し、実施した。参加者は、「課題を抽出・認識し、解決のための方法論を学び、実行する」というプロセスを繰り返すことで、リーダーの役割と意味を明確化していった。
その上で、実際に企業のマネジメント上の問題を取り上げ、解決を図った結果、企業環境は大きく改善したという。たとえば、異なる層による議論が活性化し、会議での発言、社外アプローチなどが増加した。サーベイの結果、部下からの評価が向上し、社外から「変わった」と評価された参加者もいた。
実際にマネジメントも変わった。課題に対する一連のプロセスを自律的に回し、「自分が変わればいいんだ」というマインドや行動様式が風土化したことの効果は大きいという。

高比良氏は、「次世代アクションラーニングは、課題発見から解決までの手法が明確だったので、成果が受講者に確実に根付いています。実施前・実施後の変化が比較できる、非常に効果的なサーベイも組み込まれており、成果が明確にわかりました。上司および部下などから評価を受ける360度型のサーベイにより、まずは自分自身の現状の評価を把握し、効率的に改善を図っていくことが可能でした。
その結果、効果が長期的に継続しているので、経営層も、ROIは“あった”と明言しています。挑戦する風土は確実に根付いたと実感しています」と語る。

「人材育成のフレームワークにAL-Sの手法を組み込む」と高比良氏

旭化成グループは、人材育成に対する新たな枠組みの構築に取り組んでいる。
同社は、これまで研修を実施していなかった東洋検査センターの変革を依頼するほど、AL-Sに期待を寄せている。今後の展望について高比良氏は次のように語ってくれた。

「たとえば、組織に明確な課題があるとき、そしてその課題を具体的に改善したいときに、AL-Sのアプローチは非常に有効です。今後も、課題を解決に導いてくれたAL-Sと継続的な関係を築いていきたいと思います」

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