導入事例に見る「経営者、管理者にとってのチームビルディングの重要性」とは

こんにちは。
今回のメルマガでは経営視点からチームビルディングを深堀しています。
詳しくはコラムを参照ください。

また、4月5日に経営者、管理者にかた向けのチームビルディング講座を開催いたし
ます。なかなか経営層の方がチームビルディングについて学ぶ機会は少ないと思いま
す。この機会に上司の方々にご参加いただき、企業全体としてより良い組織、チーム
創りに取り組んでいただければと思います。

1)トピック
今回は「女性の職場活用とチームビルディング」について解説したコラムのご紹介で
す。下記に一部を掲載します。

「女性の職場での活用が遅れている」ということは日本の管理職に占める女性の
割合が10.6%と欧米の30%~40%と比べるべくもなく明らかです。昨今、国とし
ても数値目標を掲げ職場での女性活用を推進する動きが加速しています。しかし、
このような女性管理職の登用が進まないという課題は、日本企業や日本の組織そ
のものが本質的に持っている多様性や変化に対する保守性があると考えています。
(続きはこちらをご参照ください)
http://jtba.org/女性の職場活用とチームビルディング

2)セミナー/書籍のご案内など
■特別セミナー 2014年4月5日(土) 10時~18時
「経営者・管理者の為のチームビルディング講座」を開催いたします。経営者、
管理者として同じ悩みを持つ方々と、現実の組織創りの課題について学びを深め
ていきたいと思います。
http://jtba.org/2014/0224121336.html

■「斉藤秀樹の最強組織を創るチームビルディング術」発売中です。
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ーシップの考え方に一石を投じる内容です。組織創りや組織強化に悩む皆さんにご
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3)チームビルディングコラム
今回は前回の続きのスポーツチームを例にとったチームビルディングのコラムを考え
ていましたが、それは次回にします。今回のコラムはまさに今取り組まれている最新
の事例をご紹介することにしました。

タイトルは『導入事例に見る「経営者、管理者にとってのチームビルディングの重要
性」とは』です。

今回お話する企業では、チームビルディングメソッド(本でお伝えしている8ステッ
プ)を導入し、1ヶ月が経過しました。これまでの取り組みと1ヶ月後の現状について
経営者インタビューをもとにお伝えしたいと思います。特に経営や経営者にとっての
チームビルディングの重要性についてお伝えできたらと考えています。

本格的なチームビルディングの取り組みが始まって1ヶ月が経過しました。
本内容は単なる研修や特定チームの活性化と言った部分最適ではなく、企業組織風土
の変革を目的とした全社を巻き込んだ組織再構築の取り組みです。

本内容の導入責任者は代表取締役である経営者(以下、代表)自身です。
日本の多くの企業や組織では組織強化を目的としたコーチングや人事制度の改変など
様々な取り組みは行われています。しかし、組織そのものの成長促進を目的としたチ
ームビルディング手法を本格的に導入した例はとても少ないのが実情です。

既に12月に出版した本については、読者の皆さんの中にもご覧いただいた方もいらっ
しゃるかと思います。そのチームビルディングメソッドの活用事例として本内容は有
意義な視座を与えてくれるものと思います。

約1ヶ月前に始まったチームビルディングの取り組みの経緯を簡単にお話します。
第1ステップは、チームビルディングの8要素(8ステップ、書籍の20ページ)を活用
して、現在の全組織の組織状態を数値化しました。いわゆる、組織状態の見える化で
す。(この取り組みに際して、ポイントの説明や簡単な研修も実施しています)
第2ステップは、各組織リーダーに1ヶ月後の目標とする組織状態を数値と具体的な状
態で設定してもらいました。
第3ステップは、その目標状態を実現するための行動計画の作成とより具体化するため
のレビューを行いました。
第4ステップは、実践。

そして、1ヶ月経過した現在、組織状態の変化と取り組み状況について代表が各組織リ
ーダーとマンツーマンでレビューを行うステップに入っています。
驚いたことは、この取り組み以前でさえ多忙を極めていた代表が、更に数十人の各部
門のリーダー全員とマンツーマンで組織レビューを行っていると言うことです。
もの凄い労力をかけているだけではなく、すべての経営実務の中で最も優先的に取り
組んでいるという事実です。

今回のコラムは経営者から見たチームビルディング重要性について、代表の言葉を引
用しながら一問一答でお伝えしていきます。では、始めます。

質問1「これまでの(1ヶ月の)取り組み状況はどのようなものですか」

皆、能動的に取り組んでいる、勿論、温度差はあるが。
私が経営者として重視しているのは表面的な取り組みではなく、議論の質を変える
ことにある。

質問2「議論の質を変えるとは何でしょうか」

議論の質とは、これまでリーダーとの会話の大半は業務(作業)状況についてのも
のばかりだった。未だ、リーダーの中には「業務状況=チーム状況」と勘違いして
いる者もいる。
しかし、私が求めているものは作業がどうなっているかではなく、組織力がどのよ
うに向上しているかということだ。個別の業務改善は単にDoの改善でしかなく、小
手先の対応で終始することが多い。DoだけでなくBe(取り組み姿勢、視野、スタン
ス、マインドなど)が変わることで始めて組織力に変化が生まれる。

質問3「Beの変化をどのようにレビューしているのですか」

Beの変化は8ステップの各要素のついての状況を確認することで行える。第1の
「チーム意識」はリーダー自身のチーム状況の説明時に使われる言葉とスタンスを
洞察していれば分かるし、第2の「安全な場」は本当に本音の話ができているかだ
が、リーダーが聞いているメンバーの意見と私やリーダー以外の人間が聞いている
意見に差がないかどうかで判断できる。結局、どんなに良い話でもリーダーの顔色
で言葉を選んでいるのでは安全な場とは言えない。

質問4「このようなレビューの最も重要なことは何でしょうか」

一つは私が考えているマネジメントとは作業管理ではなく、組織力強化であること
を明確に理解してもらうことにある。これにはとても労力がかかるが、マネジメン
トの本質が変わらなければ本当に得たい変革は実現できない。
二つ目は、作業管理の視点からは本当の意味でチーム力は生まれないことを理解し
てもらうこと。最も怖いことは自分の作業の完了ばかりに注力し、周りが見えなく
なってしまうことだ。本来、業務は私達企業が持っているビジョンやミッションを
実現するためのもの。
組織とは何のために存在し、業務の目的は何であるのかといった本質と向き合う習
慣がなければ、小手先の変化が生まれても本質は変わらないし、ミッションの実現
のために大きな視野で部門間を横断するような取り組みは生まれない。

質問5「経営の視点からこのような取り組みをする利点は他にありますか」

勿論、このような取り組みによって組織力が向上すれば、業績に跳ね返ってくるだ
ろう。しかし、それは短絡的な視点だ。経営者として良質な経営判断をするために
は良質な情報が必要だが、組織が未成熟な状態では偏った情報しか上がってこない。
また、部門間の利害が影響し合って重要な情報が隠蔽される可能性もある。これら
は経営にとっては大変大きなリスクと言える。
また、サクセッションプランを進める上で影響も大きい。いつまでも個々の部門が
自部門の利害を優先するマインドが残っていると、有能な人材を取られたくないと
いう意識が働き、部門内での人材の囲い込みが行われる。これも経営的な視点で考
えれば大きなリスクとなる。

質問6「最後にこのようなチームビルディングの取り組みを成功させるために重要な事
は何でしょうか」

言うまでもなく私(経営者)の本気度だ。チームビルディングの取り組みは組織そ
のもののカルチャや風土を変革する取り組みだ。綺麗事だけで成功するものではな
い。
それにこれは所轄部門、例えば人事に丸投げして成功する類のものではない。最も
重要な経営課題の一つと言える。経営者の本気度が伝わるからリーダー達も重い腰
を上げる。そして、ただ情熱だけで旗を振ったところでバラバラに任せていたので
は成果が生まれない。どうしても共通言語が必要になる。その意味で今回のチーム
ビルディングメソッドはとても有効だと言える。

【インタビュー後に感じたこと】
このインタビュー内容は、分かりやすさを考えて一部補足した箇所がある以外は脚色
なくお伝えしています。
最も印象的だったことは、代表の話がまるで著者自身でもあるかのように本質が自分
の言葉で語られていることでした。何も見ることなく8ステップとそのポイントをと
うとうとお話される姿は、まるで自分の講義を聞いているような錯覚さえ覚えました。
この会社で間違いなく最も多忙な代表が経営業務と並行して本を熟読し、更に自分の
ものにし、率先垂範するその姿に、経営者の本気度とあり方を実感した素晴らしい時
間でした。

さて、4月5日に「経営者・管理者の為のチームビルディング講座」を開催します。
特に経営者、管理者の方々には、チームビルディングの知見を深める機会にしていた
だけたらと考えております。
http://jtba.org/2014/0224121336.html

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